シネ・リーブル神戸で『ヒトラー暗殺、13分の誤算』を観ました。
‘衝撃の感動実話‘とか要らんから。
かえって安っぽくなる。
淡々とした映画です。重厚やし。
一労働者であるゲオルク・エルザーが、なぜヒトラーの暗殺を企てたか。
回想を使って犯行に至る経緯を描いている、と同時に当時のドイツの様子を描いていきます。
ヒトラーがナチスの指導者として政治活動を行い、選挙で勝ち、やがてドイツ首相になる。
エルザーの住む町では、所属政党により人間関係や生活が引き裂かれ始める。
国のため、国民のためと指導部・支持者をあおり、熱狂的に勢力を拡大するナチス。
ひとり、またひとりとナチスを支持し始める。
ナチスの仕事をしたほうが割が良いって労働者がそっちに流れ込んだり。
もうこうなると止められない。
町のみんなとピクニックで、酒場で、歌い踊り、恋をした日々は戻らない。
この戦争へと破滅へと突き進む感じがとても恐ろしかった。
正しい・より良いと信じて疑わず多数で突き進む様子が。
「普通の感覚」を見失う感じ。
感動の要素ももちろん!ちゃんと?あるんやけど、むしろそっちに気持ちがいってしまった。
変わりゆく生活を描くことであぶりだされるナチスの得体の知れなさみたいのがあって。
エルザーがまた音楽を愛する人でねぇ。
入れ込んじゃうのよね^^;