映画『夢売るふたり』
2012年 09月 12日
全席埋まってたんじゃないかなぁ?
いっぱいでした。
おもしろかった!
・・・他になんて言えばいいのか分からん。
「女」「都会」という初めての題材と、揺らぐことない西川節というのか世界観というのか・・。
そういうのが、ちゃんとぴったりはまってる。ゾクッとする。
あの言い切らない、言い過ぎない感じとか。
‘女’は謎やね。‘男’も・・たぶん謎。
これが‘女と男’になると、ほんまに謎っ!
人生って謎。生きるって謎。
自分のことでさえも謎。
悶々とした余韻が今も続いてます。
それについて考えざるを得ないような。
奥深いなぁ~。
女性は特に、一か所は刺さるセリフがあると思う。
自分の嫌な部分とか、隠し持ってる気持ちをえぐってくるセリフ。
その手のセリフわざと散りばめてません??って思うくらい。
色んな女の人が出てくるので、それぞれの人生があって、それが「格言」ぽく彼女たちの発言になってるように感じました。
意識してなくても「私も実はこうなんかも・・・」って自分を疑ってみたり。
「それ言っちゃいますか・・・(痛)」ってなったり。
「そういう生き方憧れるなぁ~」と思ったり。
だからかな?
貫也(阿部サダヲ)が包丁研いでるシーンは、監督が言葉を研いでいる姿と重なりました・・・。
もくもくと。
何考えてるんか分からん感じで。
その反面、一番多くを語っているのは里子(松たか子)の表情だとも思ったんよね。
表情の変化というのかな。
全くの別人に見えるときがあって、自分の中の里子像がぐらつく。
でもその表情も、読み切れるものではないというもどかしさがある。
リアルすぎる!!
そして個人的に、ものすんごく気になったふたりの博多弁。
だから一か所だけ(多分)あった標準語で話したシーンが、交わされた言葉が重かった。
隠し持っていた本音。
うすうす感じていた齟齬が決定的になる。
嘘。
ラストに向けて転がりだす物語・・・。
欲しいのは、足りないのは「お金」だけやったはずやのに。
何が足りないと感じ始めたんやろ?
何が欲しくなったんやろ?
私は「愛」ではないと思う。
そんな単純なものじゃない。
それだけでは生活は、人生は満たされない。
どっちかっていうと自尊心みたいなものかも。
あの夫婦の間に最後に残ったお互いに対する気持ち(あると信じて)
それを「愛」と呼ぶのに異存はないです、とは思うけど。
自分でもよく分からない自分の気持ちに折り合いをつけながら生きるって大変!!
そうや!香川照之さんがウケました。